感想置き場

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SIGNALISをクリアしました(ネタバレあり感想)

ゲームについて

2022年に発売した、ドイツの開発者rose-engineによって9年に渡って作成された、レトロSFディストピアサバイバルホラーゲームです。ゲーム的な要素はかなり初期のバイオに近いと思います(ゾンビ出てくるのとか、謎解きがたくさんあるのとか、荷物持てるのが少ないとか)。ストーリーは、ディストピアな感じはちょっと1984年とかを、レプリカントなどの設定はブレードランナーとかを彷彿とさせられたかも。

store.steampowered.com

きっかけ

恐らくsteamでサイバーパンクタグでおすすめされて、圧倒的に好評だったため、セール時に購入。

感想

全体(ストーリー)

約10時間で記憶エンドにてクリア。隠しエンドはちょっとまだ見れていません。

クリアした時の第一印象は、結局よくわからなかったなっていうのと、よくできていたけど、残念ながら私には合わなかったな~という気持ちでした。いろんな方の考察記事を読んで、ある程度の解釈を持つことはできるようになったのですが、それでもやっぱり、ストーリーの内容について確実に断言できることってあまりなくて、推測が混じるタイプのストーリーだったので、そこが合わなかったかも。なんというか、昔の深夜アニメ感がありますね。いろんな要素がちりばめられ、きっとこうではないかという一説は建てられるものの、断言はできない感じが……直接語られるのではなく、おいてある資料やポスターの情報を自分で拾ってつなげていくことでだんだんと全景が見えてくる、というスタイル自体はとても好きで、むしろレビューにそうあったのでそれ目当てで買ったくらいなのですが、本編のストーリーは、おそらくほとんどが精神世界ということで、拾った情報でも、あんまり信頼できないっていう状態なのが自分にとってはムズムズする状態となってしまったのかもしれないな、と振り返ってみて思います。ストーリーについて、分かる部分と分からない部分のバランスって、作品ごとに違って、好みも千差万別だと思うので、この作品のその部分のバランスが、単純に私の好みと合わなかったってだけで、刺さる方には刺さると思います。

ただ、いろんな方のレビューを見て、こういう意味付けができるのか!っていうのを知ると、考察が楽しいっていう気持ちがちょっとわかる気がしました。例えば、後半から結構肉塊とかでグロテスクな感じになってきますが、この表現が、現実のアリアーネががん細胞に侵されていて、その印象が精神世界に現れているのかも、とか、プレイスタイルによってエンディングが分岐するというのが、勇敢な姿勢を持って進んでこれたエルスターだけがアリアーネに出会う資格があり、それが、選択肢分岐とかじゃなくて、実際のプレイスタイル(敵を倒した数とか、NPCと会話した数とか、プレイ時間など、積極的にかかわろうとしているスタイルだと出会う資格があることになる)と関連しているのでは、と解釈されている方がいて、作者が用意した正解ではないかもしれないですが、正解だったとしてもそうじゃなかったとしても、なるほど~!!って関心しました。そうやって、作者の意図を正確に当てられていないかもしれないけど、それはともかく考察してイイ感じに解釈を樹立することを楽しむタイプの方にはこのゲームはたまらないかもしれないですね。(私は結構正解を知りたいタイプなのかもしれない…と思った)

クリアした時は呆然としていてあんまり実感してなかったんですが、推測は入るものの、振り返ってみると、全体的なストーリーはかなり救いがないですね。私は鬱なストーリーも結構おいしくいただけるタイプなので、最後のエルスターの切なさは結構鬱ながらも滅びの美みたいなのを感じられましたが、やっぱりゲームなのでもう少しカタルシスというか達成感が欲しかったかな~~!これは私の好み!

あとこれは完全に私が悪いのですが、前情報をほぼレビューで済ませてびっくりするのが好きなので、PVをほぼ全く見ずに挑んだら、ゾンビが出てきてあ~~買うの間違えたって後悔しました。笑ホラーは得意じゃないので…いや、ホラー要素が含まれているのは知っていたのですが、ジャンプスケアはありませんってレビューにあったので、こんなに直接的ではないと勝手に思い込んでました。たしかに、ジャンプスケアは無かったです、そこは正しかった。笑でも一度ホラーってこういうもんなんだっていい経験にはなりました。一個面白かったのが、RTA見るのが好きなんですけど、バイオのRTAを一時期見ていて、そこでゾンビが襲ってくるのを近づいて誘発して、その横を素通りするというテクニックがあり、それが今作のプレイ時に活かされまして、進研ゼミで見たやつだ!ってなりました。

人間の慣れという機能はすごいもので、何度も通るエリアは、ゾンビがいてもどうも~って感じでいけるようになったな。ただ、探索時の無音だけはどうしても最後まで慣れず、ず~っとyoutube流してプレイしてました(KERありがとう)。せっかく用意してくれたホラー空間を台無しにするスタイル…申し訳なかったけど、そうでもしないと怖すぎてクリアできなかったと思う…そういう意味では、怖がらせ方はとっても秀逸でした。あと、PS1時代みたいなレトロなグラフィックなのが、怖さにより拍車をかけていた気がする。個人的に、PS1時代のポリゴン世界になんか妙な恐怖感を抱いているので、怖さが加速してました…

弾丸とか回復も有限で、ゾンビも時間たつと復活するし、下手したら詰む!でも荷物少ないから沢山往復しないと!!またあの怖い部屋行くの?!あっ復活した!!体力がないよ!!!もうやだ~~!!っていい意味でそういう気持ちはシンクロできたけど、プレイ体験としてはめちゃめちゃストレスでした。笑

あと、無線を操作するのが楽しかった。周波数をいじって探す感じとか、無線を入れたとたんに今までなかった情報が入ってくるのとか、そういう感覚がすきです。

翻訳

翻訳はとっても自然だったと思います。が、考察勢の方の記事を見ると意外と誤訳があるみたい。

音楽

ま~じ怖かった!!!!!ピアノの繊細なシーンもいくつかあったけど怖すぎて申し訳ないけどあんまり覚えてない!!SEも怖かった!!!てかセーブするときの音、怖すぎん!!!?!??!?!?!!??!!?!?!?(機械に触ったときのギャー!とかセーブ終わったときのドゥン!!…とかセーブしないときの音も)何アレ???許さん!!!!(??)

グラフィック

全体で少しふれましたが、この現代にPS1のようなグラフィックで進めるのはかなり攻めてるな~という印象でしたが、それが独特の怖さを演出している感じがしてよかったと思います。

ポリゴンではないパートはドット絵で描かれるのですが、そこはとっても綺麗でよかったですね。

思わず「美人さ~ん」って何も考えず思ってしまった

休め…………

あと、中国語とドイツが混じったデザインや、プロパガンダポスターは最高でしたね!個人的にそのあたりがもともと好きなので、この部分に関しては純粋にテン上げでした。

常に監視を!

廊下を走るな!

この赤の色づかい!昔の印刷っぽい色数の少なさ!直線的で抽象的なデザイン!たまりませんね~~~

惑星のポスターも好きです。

ハイマート。めちゃくちゃあそこを彷彿とさせる

ロートフロント。地球説が濃厚だそうです。青が綺麗

共産主義国家のディストピア社会主義感は、ドイツ語でかなり表現されていますが、それが中国語によって後押しされ、さらにアジアンなサイバー感を足していてとても良い。独特な雰囲気だと思う。

ところどころ中国語が混じるのが独特のサイバー感みたいのを醸し出してる

日本人だからたまに漢字が読めて嬉しい 英語圏プレイヤーはドイツ語も中国語もピンとこないのかな?

まとめ

個人的には合わなかったところが多かったですが、ゲームとしてはとてもよくできてたので、勉強になったなと思います。自分の好みというか、自分がゲームに何を求めているのかが少しクリアになった気がします。あと、デザインはめちゃ好みだったのでそこはとても楽しませていただきました!はー怖かった…………………………

↓個人的に納得度が一番高くて好きな考察記事。書いてくださる方に感謝…さっぱりわからなくて理解放棄してた状態だったのを救ってくれました。

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