ゲームについて
2019年発売の、ヴァニラウェア開発アトラス発売の、アドベンチャー+シミュレーション(タワーディフェンス)ゲーム。1980年代の架空の日本を舞台に、滅びの運命に抗う13人の少年少女を描くストーリーです。
きっかけ
前から名前は知っていましたが、なんとなくきっかけがなく購入には至っていませんでした。100万本記念にSwitchで半額セールをしていて、Twitterでおすすめいただいたのでえいや!と購入。
ヴァニラのソフトはオーディンスフィアと朧村正をやったことがあり、結構好きです。ご飯と胸と太ももに定評があると勝手に思ってます。
感想
全体(ストーリー)
22時間くらいでクリア、戦闘ノーマルでした。
おもしろかったー!!各主人公のストーリー内でも、それぞれの主人公の間でも、さっきまでの前提がひっくり返されるという展開がバンバン出てきて、何が本当なのかわからない!と振り回されるのがすごく楽しかった。ここの話こういう意味だったのか!の快感をこんなに味わえるゲームはなかなかないと思います。”謎が謎を呼ぶ”という成分が8割くらいを占めているゲームって感じでしたね。そして好きな具材全部載せハンバーガーみたいな感じのSFネタてんこ盛り具合にニコニコでした。
私は正直少年少女がロボに乗る、っていうところはあまり興味ないのでこのゲーム手を出せずにいたのですが、世界設定がこんなにSFSFしてるとは思わず良い誤算でした。テラフォーミング、AI、ループ、タイムトラベル・リープ、仮想現実、ナノマシン、などなど…興味なかったロボ部分も、最後の方の街を決死で守る、物語のアツさ的な部分に貢献していたと思います。
全体的な読後?感としては、推理小説読み終わった時に近い感じで、群像劇ということもあいまって、あんまり各キャラクターに深い萌えを感じるというよりも、世界の仕組みの方とかに興味がいくストーリーでした。感動するというよりはトリックの種が明かされてなるほどなー!となる終わり方というか。
ただ、最後の手前まで、真相があまりはっきりわからない状態がずーっと続くというこのスタイルは、わくわくはしますがフラストレーションが溜まるのも事実で、ここ結構人によって好み分かれそうだなーと思いました。分からないのが楽しめる、好きなタイプじゃないとマジでわかんねえで全部終わっちゃう人もいそうな気がします。こういう、スタートでは何もわからないものが段々とピントあってくるスタイル、私は大好きなので楽しめましたが、それにしても全真相が発覚するのが結構ラストギリギリだなとは思いました。真相が全てわかって、そこからラストに向けてうおーー頑張るぞ!!って盛り上がるところがちょっと短く、崩壊編のバトルは半分くらいが状況の全容がわからないまま闘うので、アツさには少しかけるところがあったかな。でも最終戦は下にも書きましたがめっちゃいいヒリヒリ感を味わえましたのでそこはとても好きです。
あと、SFとは全く関係ないところの、昭和ノスタルジーを感じられる箇所が個人的に楽しかったです。昭和は私にとってはファンタジーなのでどこまで再現されてるか分かりませんが、家電がガジェット!って感じだったり、ブルマだったり、木の温もりが感じられたり、経済が成長してる感じがあったり、公衆電話だったり、懐かしさとワクワクが感じられて楽しかったです。渋谷って85年にはあんなにもう栄えてたんですかね?加えてグラフィックだと、光の表現がとにかく綺麗でした。夕日に感じる胸がギュッとなる感じみたいなのまで再現されてる感じがしてすごい。やっぱりヴァニラのグラは唯一無二ですね~~~~!!!最高でした。
崩壊編(バトル編)では、第三ラウンドあたりからガーディアンやフレアとかをちょっと考えて使わないとキツくなってきてちょうどいい難易度になった感じでした。いい感じに雑な感じで、緻密に戦略詰めなくていいカジュアルに楽しめるタワーディフェンスでした。あと、敵の物量が多くて殲滅してる時気持ちいいです。スキルレベル上げは候補が多すぎて混乱しました。結局インターセプターとレールガンとプラズマとガーディアンとフレアとか、そこらへん使ってました。
因幡深雪の歌が流れるとこ、不覚にもじんわり来てしまいました。そしてステージプレイ中ずっとではなく時間経過で曲が終わってしまうのが切ない。ああーいかないで…
最終戦は関ヶ原、冬坂、三浦、如月、鷹宮、郷登でいきました。三浦と如月は推しだったので、、郷登も結構好きで入れてました。他は割と強かったので入れた感じ。もううるせー!!知らねー!!って勢いの物量でじわじわ攻めてくる最終戦は、これまでで一番ディフェンスしてる感があって燃えました。今どれくらいなのか、セリフでしか伝えてくれないのも、ドキドキ感、臨場感があって良かったですね!意外と早く終わって安心しました。笑最終戦はとにかく雑魚の物量が凄くて、巨大ダイモスはほとんど倒さなかったので、若干の物足りなさというか、巨大ダイモス倒すためのスキルがあまりラストに役立たなくてちょっと寂しかったです笑
総合して、SF成分や謎成分をかなり摂取できて楽しかったです。一方でキャラ萌え成分はそんなになく、ぶあつめSFミステリ小説って感じのゲームでした。それに加えてラストのタワーディフェンス編ではゲームという媒体でしか味わえない”あとがない感じ””焦り”を実感でき、楽しかったです。また、小説では小説側が話の順番を提供しますが、ゲームでは好きな順に読めるし、自分で考えてすすめられるので、そういう点でも小説と違って能動的に物語を楽しめて、よかったですね。信じて買って良かった。お勧めしてくださった方々、ありがとうございました!
キャラ雑感
キャラ単体では三浦君とうさみちゃんが推しでした。なっちゃんとゆきちゃんのコンビも好き。あとやってる間はギャグだったけどだんだんこの記事書いてて比治山沖野がキテる。
鞍部十郎
主人公かと思いきや信頼できなさ過ぎる語り手で笑いました。
柴くんが他人には見えてなかった..ってのが判明したときなかなか怖かったですね(ああいうスリル大好き)。薬師寺さんのしっぽよりもインパクト強かった。結構十郎のストーリーもじわ怖系だったな。楽しかった。個人的に、善逸と同じ声優さんだって信じられませんでした。びっくり。
冬坂五百里
ふわふわ〜って感じの子だったのでぱっと見藤子スタイル森村先生と全然関連見出せなかった。狙い通り引っかかりました。よくできてるなぁ。十郎とは今世ではなく前世でくっつくという意外な結末、なんかパケで印象デカかったので。個別ストーリーでの瑛くんとの関わりは色々急だな〜とはちょっと思いましたが、可愛いからヨシ!「女子高生」を沢山摂取できて、なんだか懐かしい気持ちになりました(無邪気な感じとか、買い食いとか、話題の狭さとか)。あと、太ももにSTARTがあるの、ヴァニラの”癖”出てますよね。
薬師寺恵
ちょっと十郎ラブすぎて怖かったです。笑しっぽは柴くんと同じ展開で正直ちょっとまたかい!って感じはありましたが、逆に同じ存在がカタチを変えて二人に出てきているというのは意外とない設定な気もします。晩飯が豪華すぎて笑います。
関ヶ原瑛
多くを語らず、淡々と任務をこなすけど、非情になりきれないタイプですね。個別ストーリーでは自分の記憶がない状態から始まって過去を探っていくのが面白かったですね。けっこうスリル感もあって。話が夜の渋谷から始まることが多くて暗めのドラマ見てるみたいで楽しかったです。話の内容はシンプルにミステリ的な面白さがありました。過去の自分からのメッセージって燃えますよね。でもその過去の自分とも決別するのが結構印象的でした。記憶が無くなり続ける症状怖い。
郷登蓮也
真意がなかなか見えないテンプレインテリメガネキャラで実際7割くらいはそんな感じだったけど、先生との賭けとか、意外と熱いというか現実を諦めない姿勢があって、応援したくなりました。あと森村先生が好きだったってのも意外。東雲編でミワコちゃんに足止めされてるの毎回笑っちゃう。
個別ストーリーは完全にミステリ小説の種明かしパートでしたね。証拠を次々幼女に突きつけて言い逃れできなくしていくのえもいわれぬインモラルな快感がありました…ただ、今までのまとめはあんまりなくてまた新たな事実が明かされていく感じだったので、続きが気になりすぎてもりもり読み進めていた身としてはすっきりというよりもなるほどわからん!!って感じになっちゃった。しっかり考察しながら進めればあそこでええー!!ああー!!なるほど!!ってなれたのかな。笑ただ、ミステリは振り回されてナンボとも思っているのでこれはこれで楽しめたと思ってます。
南奈津乃
無茶苦茶素直で元気ないい子、癒し枠でした。なんというか何考えてるからわかりやすいから不安にならずに会話できるというか。笑腹に一物抱えてる人多いですからね。BJとのコンビもプチバディものって感じで良かった。ラスト、自我が消えるのさみしかったけど綺麗な終わり方で結構好きだったんですが、最後の最後で復活して、よかったんですけど!!よかったんですけど…消えたままの方が綺麗だった感はちょっとだけありました…が、これは完全に好みの話なので!!こんだけ頑張ったんだからみんなハッピーになってほしいのはそうなので、全然OKです!!常におみ足が全開大サービスでしたね。昔のブルマ恐ろしいな。ヴァニラの”癖”でてましたね(2回目)
三浦慶太郎
実直日本男児です。男性キャラでは一番好き。とにかく真面目で人のために尽くす人だなーという感じでした。妹を大事にする姿がほんと健気で……あと、40年の差に色々驚く描写がかわいいし、戦時中→経済成長期、というのもあり、うさみちゃんとまた違った感じ方をしていて興味深かったです。もうゆっくりやすみな、、って感じが強いキャラです。でこの傷隠してるの可哀想で可愛い。
比治山隆俊
この人は一人だけなんか若干ギャグ時空に片足突っ込んでいるというか、シリアスさもあるんですが妙に面白いやつで、でも守るために身を犠牲にするという点では一番実直なキャラで、なかなかおもしれー奴でした。
正直恋愛って点で一番緻密に描かれてるの比治山沖野だったりしませんか?
個別ストーリーは焼きそばパンの記憶がかなりを占めておりますが、沖野との関わりも良かったですねぇ。ひねくれ沖野にはこれくらいの直情型がお似合いなんですね。崩壊編で沖野が絆されていくの可愛かったな。振り返ると案外二人のコンビは好きかも。
緒方稔二
テンプレチンピラかと思ったら意外と奥が深いキャラで結構愛着湧きました。ただ戦闘バカなのも事実で、崩壊編でもラストまでぶれねーなーって感じでしたね。笑こういうツッパリって本当に実在してたんですかね?
個別ストーリーがループ物でシンプルに楽しかったです。時間経過で電車が来るのを待たないといけないのが、ADVだと選択肢を選ぶだけなのでリアルに時間繰り返してる感があってよかった。あとループモノにありがちな、主人公の精神だけ成長して片割れがドキッとするシーンも美味しかったですね。あとエンディングで輪島にデレてたの可愛かったですね。
如月兎美
かわいい!女性キャラでは一番好きでした。負けん気強めだけど、障害に対しても真正面からぶつかっていく、強さを感じる子でした。昭和に移動して、ワーワーレトロだぁ!ってはしゃいでるのが共感できて可愛かったです。あと、歌ってみたの話がアイドルに繋がった時おお〜ってなりました。名前関連あるだろうな、とは睨んでましたが。ただ、実際にうさみちゃんがうたってた24年のver(80年代ではなく)って、あるのかな?ないですよね?セリフじゃなくて曲で気づかせてほしかったかも。(聞き逃してたら申し訳ないです)
個別ストーリーは結構いい感じに真相に近いところにいるので続きが気になって楽しく進められました。マンション壊れてるのみた時、めっちゃ可哀想で可愛かった。バトルでは、レーザー二連にすごく助けられました。
網口愁
井田と同じとは思えませんね。思いつきでゆきちゃんをバイクで連れ出すところは結構好きです、自由な感じが。
個別ストーリーでは深夜にアイドルに声かけられる入りはとても引き込まれましたね。壁がある!ってなったところもヒヤッとしました。あと如月を取り戻そうとする過去井田はちょっと気の毒でした。
鷹宮由貴
友達思いのスケバン女子、ツッパリ系はギャップ萌えの宝庫だって古事記にも書かれている。かわいいねー。どっちかというと網口との関わりよりもなっちゃんと絡んでる時がかわいい。なっちゃんとゆきちゃんのセット、マジ尊い。この子のG4機体強すぎますよね。カウンターあるしインターセプターあるしレッグスパイクで大物も道に関係なくサッと行って刺せるし。
個別ストでは相原が相原じゃないって判明した時が特に恐ろしくて楽しかったですね。なっちゃん一筋で一途でなりふり構わず調べてつきとめるの、かっこよかったな。
東雲諒子
終始ボロボロで可哀想だけど、現実世界でも仮想世界でもどっちも諸悪の根源になっててちょっと気の毒。ただ、あまり同情はできなかったかな〜
個別ストーリーではふらふらしてると曲も画面も歪んできて薬飲まないといけないのはめちゃよかったですね。UIに直接絡んでくる状態異常好きなんですよね。全体に漂う終わらない悪夢感と、結局全部忘れてしまう虚無感が心にざらついた気持ちを残す、いい意味で苦いストーリーでした。