感想置き場

いろいろと感想を残します

The Cosmic Wheel Sisterhoodをクリアしました(ネタバレあり感想)

ゲームについて

このゲームは、Deconstructeamというゲーム会社が開発したADVゲームです。自分でオリジナルのタロットを作って、相談に来る魔女たちのお悩みを占う…って文章ではこのゲームの3割くらいしか説明できてませんね。笑とにかく選んだ選択肢が後ろの話にガンガンに影響してくるのでそういうのが好きな人にはたまらないゲームです。

store.steampowered.com

きっかけ

Twitterでいい!って言ってるツイートが偶然流れてきて、紹介記事見てみたらthe red strings clubのところだったのでほぼ中身確認せず信じて購入。信じてよかった。

感想

以降ネタバレ全開なので注意!

物語

・選択すること、選べるものと選べないもの

このゲームは、何かを選べば何かを捨てることになるという、「選択」の本質とでも言いますか、どの方面にも100点の解答って(ほとんど)ないんだというのを、会話の選択やタロットの選択で丁寧に伝えてくれるゲームで、やってて非常に苦しいのですが、同時に充足感もあるゲームでした。人生における選択の重さというのをよくここまであらわしているなぁ..と感心します。ここはThe red strings clubから変わらないメッセージなのかなーと思いますね。あと、自分の選択に責任を持つ、ってのも同じく大きなテーマなのかなとも思います。やり直しできないし。それと同時に、セーブデータ作るところで運命に関する話です、とわざわざあるように、意思を持った選択だけでなく、どうしようもできない「運」で選ばれるものもあるというのも大きなテーマなんだと思います。変えられるものと、変えられないものがあって、フォルトゥーナはタロットで未来を決められるけど、まずどのタロットを引くかどうかというのは最後まで自分の手で決めることはできず、完全に運だよりになる。また、世界のカードをひいたとしても、その中にある可能性の中からしか選べず、完全に無限大というわけでもないんですよね。なんでもできる神様にはなれないけど、そんな中でも生きていくしかない。代償を受け入れるエンディングでの

とても好きなメッセージです

という内容からも、よく分かると思います。そもそも、代償を払うというストーリー自体が、何かを得るには何かを捨てる必要がある..まあ代償は、必ず払うものなのかなと思ってたら、払わないエンドもあって、そこはちょっとご褒美なのかなと思いました。エンディングは作れる、物語は書けるんだということなのかな〜。ここはかなりポジティブなメッセージだなと感じました。スタッフロールの最後に、コロナ禍で..というお話もありましたが、そのあたりで色々あったのかもとか勝手に考えてます。The red strings clubのノリで行くなら多分このエンドなかったと思うんですよね。

・未来と過去を創り出す

フォルトゥーナの能力、タロットで未来改変はまだギリ予想のつく範囲だったけど、過去も変えられるってのには結構驚きました。最強の能力だなーと思いますが、ただ、責任の話かどっかで、人は大なり小なり未来に影響を与えているものでそれが大きいだけだよ。とエイブラマーだったかな?に言われてたように、まあ事象として確定できるのはすごいけど、結局物事って自己認知でしかないので、フォルトゥーナの能力がない我々にだって、今までの経験を嫌な記憶から素敵な記憶に認識を変えてしまうことはできるし、これから起こることに対しても、やろうと思えばある種引き寄せることもできるという点で、少しはにたようなことができるんじゃないかと、というか、私たちの日々の選択や認知についてそれをタロットの能力として大袈裟に描くことで、私たちのできることについて考えるきっかけにしてくれてるのかな〜とか。

まあ、持ってなかったものが持ってたことになってたり(例えば師匠との会話で前からためてたって話になるとエネルギーがたくさんもらえる)、現実の改変ができてるところは流石に超パワーなのですが。笑羨ましい‥けど、運頼りなところが怖いな。まあ、世の中運が絡まないことって少ないとは思うのですけどね。そういう点で自分の意思を持った選択は運が絡まないものなので、大事にしていきたいですね。

あと非常に面白いなと思ったのが、「書き手」という呼び方。確かに、物語って、作者の一存で、今までなかったものがあったことになったり、自由自在ですよね。ある種、ふつうのADVゲームだって、キャラと会話して昔話の描写が入ったら、その昔話だってライターがそこで生み出したものであって、そこまで存在してなかったともいえるわけで‥‥(というかキャラすら生み出されたものではあるのですけどね)

私たちも、一人ひとりが自分の物語の「書き手」であって、そこには自由になんでも書けるのかな、なんて少し思いました。ままならない選択ばかり続くのが人生ですが、このゲームをやって、少し元気がもらえました。

・後半は結構毛色が違うが、人の考え方の違いを楽しめるのは前半と同じ

後半は選挙ゲーになるわけですが、私は政治に興味が正直あまりないので、初めはちょっとええ〜ってなったものの、みんなの提示する主義を聞いてると、それぞれに確かに理由がありメリットとデメリットがあり、そして共通するのはコヴンを、仲間たちの居場所をよりよくしていきたいということで‥‥最近サピエンス全史を読んだのもあって、自由主義とか全体主義とか、そういうことについて考えるのは結構好きなので、「政治」という先入観を取り払ったら、結構後半も楽しめました。加えて、その選挙に出てるメンツが友達なのもあり、自分たちのコミュニティ、居場所をよくしたい、という気持ちが素直に伝わったので、政治を身近に感じられたんだと思います。エイブラマーにも、政治興味ないっていうと怒られますしね。笑政治は多くの人とまとまって行動するには本来不可欠なもので、避けて通れないものであり、その一員であるからには責任を持って考えたり参加しないとなーと思いました。エイダーナは超全体主義ジャスミンはエイダーナの緩和版、保守派で、ダリアはかなり自由主義、リベラルって感じですよね。各々、目指すのはより良い魔女社会だというのに変わりはなく手段が違うだけ。色々項目がありますが、それぞれについて自分が「こっちがいいなぁ」と思うのが、必ずしも全部ジャスミンやダリア派ではないのがなんか面白いというか、作中でも新入りや生産者などスタンスによって好まれる体制が違うわけで、自分も自分にとって都合のいいものを好んでるんだなというのがわかって、自分も含めて人間勝手だなというか満点の回答ってないんだなってなりました。私は割と制限されたくない学者や探究者よりのタイプかな〜。真面目に考えた初回では、審判は省庁制度(少数権力集中も、てんでばらばらも嫌で、適材適所が一番いいと思った)、処罰は奉仕活動(話し合いが理想だと思ったけど甘すぎるとも思ったので)、禁忌は自由な使用と教育(隠すことが過ちを回避する手段とは思えないので)、有限生命体の扱いは、魔女の正体を明かす(ここは納得いく回答があまりなくて、導くのは違うと思うし、関わりを断つのがまあ近いかなーと思ったけど、それはそれで魔女側も寂しそうな気もして)、魔女の務めは従弟制度(人生において、歳をとると自分単体の幸福を信じるのが難しくなっていく中、自分ではなく別の人(人間なら子供ですが)の未来を信じることが救いになり得る事があると思うので)、エイダーナの遺体は吸収(叡智を得るタイミングは今しかなくて、新しく魔女は別にほっといてもそれなりに誕生すると思ったから)にしました。

・「魔女」という生き物

また、このゲームでは魔女になれるのは、女性かノンバイナリーである生き物、とされています。体は関係ないようです。どういう条件で覚醒するのかとかは細かく書いてないし、作中でもどうして女だけなんだろうね?という会話はでますが答えは提示されていません。なんでこういう設定にしたのか、ちょっとまだ私には考察ができてません。別に心が女性なら誰でも覚醒するわけではないので、多分女とか男とかではなく物事の捉え方とか考え方とか、そういうのが関係してるのかな〜?とかちょっと思いました。あとは、もしかしたら、自分を見失っている人とかだったりもするのかな...とかちょっと思いましたが、あんまり細かくは設定されてなさそう..かな?。宇宙は不公平だから、っていうのは結構納得いくなと思ったのですが、それも否定されていますしねえ。

不死なんて気が狂いそうなもんだけど、魔女は、皆一人一人やりたいこと・探求したいことがあって、まあ多少の不安や迷いはありつつも、本当の自分を楽しめている人が多いです。ただ、与えられる方が楽という話(姉ちゃんの元カノ)もあって、みんながみんなそうではないというのもかかれています。あと設定が面白いなと思ったのは、地球からの魔女が、いろんな時代から来ていることです。いろんな星の人が魔女になっているのはむしろよくある感じで、地球上で異なる時代ってのが新鮮でした。地球上での価値観の変化がよく分かって(例えばガーデンでのジャスミンとフォルトゥーナの会話)、地球の歴史も巨視的に見れて面白いです。

魔女、そして魔女社会というのは、現代の私たちの社会を誇張しているものなんだな、と思いました。不死ではありませんが、現代にもさまざまなバックボーンを持つ人がいて、自己探求にいそしんだり社会に貢献することを生きがいにする人がいたり…このゲームで素敵な生き方だなって思ったキャラがいたら、その人を目指したいなと思いましたね。

・属性の話

空(コンテクスト)、水(感情)、土(力)、火(争い)という分け方が面白いですね。フォルトゥーナは水が苦手で火が結構好きって言ってます。共感や自己認識をつかさどる水が苦手って、確かにそんな感じします。火が好きなのは、フォルトゥーナって結構秘める感情は苛烈というか破滅願望でもあるのかな…下で読める魔法書はお師匠さんの本なんですね。初めには気づかないようになっててニクいですね。

・ゲーム的な楽しさの話

ゲーム的な面で言うと、プレイヤーの選択の結果を随所に出してくれて、コヴン崩壊の原因すら自分で決められる、プレイヤー自身が書き手であるというのは、干渉している感、選んでいる感がすごくあって、選択の実感と重みがあって楽しかったです。選んだ選択肢の影響がこんなに波及するゲームってなかなかないんじゃないかなと思います。一方で、そんな重大な事象すらプレイヤーの手で決められてしまうということは、正解や答えが用意されていないということでもあり、そこの欲求には応えてくれないとも言えますね。まあ、自分ってこんなに正解求めてるんだなってのがよくわかったのですが‥選択肢で選んだ通りになるという結果は同じなのに、それに対する認知が違うだけで、一般的なADVゲームでの選択肢を選ぶ時よりも大きな責任を感じるのが面白いなと思いました。

些細な差分、分岐が死ぬほどあって、よくここまで差分作ったな‥と感心します。ただ、ゲームのポリシーとして、セーブデータを分けられないとか戻れないとかあえてしているのは、システムまでもがテーマに沿っていてとても好感が持てるのですが、一方でやっぱり好きなキャラのセリフの差分は吸い尽くしてえという欲もあり、そこが手間なのはちょっと辛いですね。笑

タロットを自分で作れるのは、最初はすごい楽しかったのですが、先が気になるのと、イラスト的な好みとゲーム的な選択肢を増やすための組み合わせが合わないことが多くて、途中からあんまり手を出さなくなっちゃいました。でも組み合わせで名前や意味が変わるのはとても楽しい!あと、説明文も結構楽しく読みました。えっちなネタ、おおくないですか?あとあとから知った魔女の名前が説明にあったりして見返すと楽しい。

あと、キャラクター一人一人が、それぞれの経験やそこから形作られた考え方、価値観が、少ない会話からもよくわかるテキストで、会話をするのがとても楽しかったです。その人を知りたいと思わせてくれるなと思いました。

ベッドで読める本が、それぞれきちんと作者がいるのに驚きました。細かいところまでクオリティが高い!

音楽

Fingerspritさんの曲、The red strings clubsから大好きです!!!!!!

fingerspit.bandcamp.comエイブラマーの曲が好き。

グラフィック

ここのドットアートは丁寧で大好きです。オープニングアニメまでドット絵という凝りよう。途中のイベントカットシーンもすごいきれいだったな。

過去作ネタ

この家…さてはあそこの近くだな??

The red strings clubネタが結構あってテンション上がりました。未来予想でAIに支配されるってするとアカラが台頭した未来になってエンディングでもお馴染みの街並みが見れますし、タロットカードにもあって嬉しかったな。

あと、Hotline Miamiネタがあってフフってなりました。

hotlinemiami.fandom.com

3がでた世界線羨ましい

翻訳

不満ゼロ、とっても自然です。ありがたい...一個誤字があったかな?あと、"コヴンの魔女たち"と訳されている章タイトル、英語は"sisterhood"なんですよね。直前の海ピザシーンでの女友達のエピソードから、このタイトルを挟み、その後のコヴンでのフォルトゥーナの友達の話の対比というか繋がりというか、そこを表している気がするので、これは英語の方が良かったかなぁ〜と思いました。文句言ってますが、これ和訳できないと思います。翻訳さんはこういうのも考えないといけないんですね。大変だ...

キャラクター雑感

フォルトゥーナ <I - Fortuna>

第三の目がある位置、エイブラマーと同じで運命を感じる

OPでの人間時代フォルトゥーナ

60年代のアメリカに昇醒した魔女。生前からタロットには明るかったようです。3割くらいは私たちプレイヤーの選択で人物像が決まりますが、残りはゲーム側で描写されているとおり。あまり人に惹かれることがなく、人間に興味がない。人間の生活で唯一恋しかったものは、お姉ちゃんだったと話しているくらいです。彼女の人間時代は半分ヒッピーみたいなもの、なようです(作中で本人が言ってる)。こちらの素晴らしい記事

proxia.hateblo.jp

に書かれていらっしゃるのですが、ヒッピーやニューエイジ思想など多くの要素が含まれているようです。ニューエイジ思想なんて恥ずかしながら全く知らなかったのですが、こういったカルチャーがあるのですねぇ。「私がなりたいのは魔女」と願って昇醒しましたが、この言葉はどういう意味で言ったのでしょうね…

テア <II - The Arbiter>

このゲームで一番素直な子だと思います

裁定者の魔女さん。この子はあんまり個人の価値観みたいなトークがないので話すことがあんまりないんですけど、プレイヤーの最初の選択の犠牲者という点では可哀そうだなと思います。笑初回では目をケガさせました…ごめん…占ってほしいっていうの、可愛いですよね。

ジャスミン <III - The Gardener>

ものすごく「優等生」な子だと思います。羨ましい

フォルトゥーナのズッ友その1。ルールやauthorityに忠実で、提示する主義もわりと権威主義よりです。それはこの子がそれで恩恵を受けている側だからなんだろうな、という気がします。なんだか棘がある言い方になりましたが、こういう真面目な人がいるおかげで、人はまとまれるので、めちゃくちゃ尊敬します。グレーテも、多くのコミュニティは一部の献身的な者たちのおかげで存続している、といっていますが、ジャスミンはまさにそういう子なんじゃないかなと(当のグレーテは権力に従順なジャスミンとは友達になれなさそうと言うのですが笑)自分のガーデンで人に貢献できることを生き甲斐としていて、心底優等生な子です。多分、フォルトゥーナの人間時代のエヴァポジなんだろうなというふうに思います。優等生さがたまに鼻につくけど、別に本人は誇示してるわけではなくて...こういう子がいるおかげで繋がっていられる、というか。また、1800年台の産業革命期のイギリスで育った子で、この時代には女性の選挙権はなく、そのことを言うシーンもあり、そのこともあって今の魔女社会に強い思い入れがある印象があります。だからこそ、保守的なのかもしれないですね。今となっては当たり前なことも、そうでなかった時代があり、そのために闘ってきた人たちがいることを忘れないようにしたいですね、

ダリア <IV - The Daggersmith>

とにかく純粋という言葉が似合う人だと思います

フォルトゥーナのズッ友その2。元気、自由、パワー!って感じの人です(雑)。彼女は本当に飾らない人で、いい意味でも悪い意味でも素直なので気持ちいい人だなと思います。いい意味で深いこと考えない、行動あるべし!ってタイプの人なので、わたしは真逆な人間なので羨ましいなと思っています。グレーテと友達なのが意外ですが、グレーテ本人も言ってましたが、自分と真逆だから互いにないものがあって楽しいんだろうなと思います。二人の会話、見てみたかったな。互いに互いの言動に毎秒ツッコミいれてそう。笑フォルトゥーナの人間時代のお姉ちゃんポジに近いかな?奔放で気持ちに忠実なところとか。

ルイーズ <V - The Pithweaver>

見た目が結構びっくりですが中身はとっても優しい人

ジャスミンのお友達。見た目にうぉっとなりましたがすごく丁寧な人です。類友をすごく感じます。自分の得意なことを仕事にできてるの羨ましい。というか、フォルトゥーナに相談に来る魔女は一人一人やりたいことが明確というか自分がしっかりしている人が多い印象です。自他境界が明確というか、ほっといたら好きなことずっとやってそうな人が多そう。

グレーテ <VI - The Architect> 

この形態もかっこいいと思う

ダリアのお友達。建築家、かつ哲学家の魔女です。2000年生まれで32で昇醒した、意外にも現代人です。マインクラフトとかitch.ioとか知ってるし、なんか結構オタクだったんじゃないかな疑惑がありますね。笑一番最初にあって会話を何個かして、あーこの人好きだなというか価値観が合うなと思った人。生きる意味についてぐるぐる考えてしまうの、私もよく、、ってほどではないけど、人と会話してて勝手に自分の興味のある哲学的なテーマに勝手に話が逸れて考え込んじゃうってのがよく分かって、勝手に共感して勝手に好感度上がりました。人を勝手に分析しだして楽しむところとかもすごくよく分かる。グレーテとの会話での選択肢の哲学的な意味の重さが好きです。だから助けてあげたかったんだけど、一周目ではなんかズルするのもな(これがズルだというふうに私が認知してるのも面白いですが)と思ってエイブラマーの力を借りずに7割で行ったら失敗して捕まってしまって悲しかった。なので二周目で絶対助ける!と思ってやったら、恋愛を選んでいたのでそこでなんと突然恋人になるとは思わず、いや超嬉しかったけど予想外でめっちゃテンションあがっちゃいました。一番いいなと思ってたキャラとくっつけるなんて、最高や…まあ、好き!!となるのがずいぶん急だなとは思いますが、ゲームの尺的な話はちょっとあるのかな!というのと、好きだと自覚したり付き合ったりするのに、絶対に全員が時間がかかるわけでもないと思うし、特にグレーテは現実的にどれくらい同じ時間を過ごしたかというよりも、考え方や価値観の近さや、助けてくれたりしたことが重要なタイプで、時間はいらないタイプだったのかなーと思っています。見た目がカッコ良すぎるってか、女子にモテる女子感がすごくてまんまとハマってしまった。プレイしたことないので的外れかもですが、ポケモンのチリちゃんみたいな、こういうスパダリ女子が流行ってるのかなー…

くっついたあと、下に住むとは思わずもうニコニコでした。エンディングでのリアクションが見たすぎて、2,3周目超速でやっちゃいました。2周目では犠牲にするのは最愛の人、3周目では自身の不死性にしました。グレーテ犠牲エンドでは、犠牲になることにはあまり抵抗がないというか役立てることを喜ぶ節すらあり、まあ割と予想通りではあったものの、自身の生死すら愛や自分の信念の前ではあまり重要そうではなさそうな、いい意味で現実に生きてない人だな〜というのがよく伝わってくるエンドでした。フォルトゥーナ人間堕ちエンドでは、一週間に一回は来てくれるそうです。好き。これって、途中のタロットの選択で振る舞いももしかしたら変わるのかな...?私はこの時、智の探究は生きる意味は人と関わることにあるって伝えたので、もしかしたら別のだとあんまり会いに来てくれない可能性もあるのかな。笑あと、恋人になったあと代償を払わないエンドもやったのですが、影も形もない...ですよね?えーん!!生きる意味を考えることが生きる意味みたいなところありますよね。半身がベヒモスのまま同棲ルートもあるみたいで差分多すぎて震える。

あとちなみに、選挙で生産者にアピールをお願いするとうまく行きません。「共同体のために何かを育てるという感覚がないだけに、彼女たちからすれば私は寄生虫みたいな存在なんでしょうね。」と本人はいうんですが、説得する人が変わると内容が同じでもリアクションが違うっていうのはかなりリアルというか、あたりまえなんですが抜け落ちていた視点だな~と思いました。私たちは「誰が言ったか」を完全に無視して話を聞くことはかなり難しいんですね。確かに、結果的にその行為が他人のためになっていることはあるかもしれませんが、根本的に学者タイプの人は誰かのためでなく自己の好奇心に従った探求をする人なので、他人のためにが主な主語である(もちろん楽しくて自分のために生産している人もいるとは思いますが)生産者とは行動動機が違い、相容れないんだなと、面白いしリアルな視点だなと思いました。

スパダリすぎ

使い魔の髪型が本人と一緒でかわE

この乗ってくる骨、ジェムスカルベルト↓のやつだ!!って記事書いていて気づきました

↑これ タロットの説明、宇宙の広さ感じられて好きです
ジュンレイシャ <VII - The Mathematician>

胸のあたりはそろばんモチーフでしょうか?そろばんは日本で結構発展したみたいです

宇宙の理解を広げるため、公式など確立したり、さまざまな物事の確率を求める器具を開発したりしている数学者の魔女です。彼女の世の中を理解したいという欲求、知識欲はよくわかる(私もエイダーナの遺体は吸収したほうがいい、知らないことを知りたいと思うタイプでした)のに、なんかあまり共感できないのはなんでだろうと思っていたのですが、グレーテがジュンレイシャについて、私は理由に興味があるけど、彼女(ジュンレイシャ)が注力するのは手法だから。(だから最初は互いに興味があったけど今はあまり関わらない)と話しているのを聞いて納得しました。哲学者と数学者って、似てるけど、数学には"意味"は入り込まない一方、哲学は人間の認知ありきなので、思ってるよりかなりスタンスが違うんだなーと。後名前が日本語なのが面白いですね。

エイダーナ <VIII - The Golden Masks> 

口が顔の上にあるのが怖い

フォルトゥーナをを追放した魔女で、コヴンの長。死んだのに生きているとはこれ如何に。しかし、画像にあるように、生きる意欲を失った時にも死ぬそうで、つまり話してるこのエイダーナは、システムというか記憶というか、そういうものなのかなーと理解しました。まあ確かに、生きることを、生物学的に死んでない=生きているという定義ではなく、精神に重きを置くのなら、精神が死んだ時点でもうそれは死ということなんでしょうね。というか、魔女自体は不死なわけで、つまり魔女が生きているというのはどちらかというと体ではなく精神の方を指すのが正しいのかも。エイダーナは、どうして死んでしまったのでしょうね。もう、自分の出番は終わったと思ったのでしょうか?でも、それなら退役すればいいだけなんですよね。生きる意味がなくなったというのだからそれ以外に何かあったと思うんですけど...まあ、コヴンを納めることが生きる意味だったのならそれをやめる=死、になる可能性もあるのかな。それとも、フォルトゥーナがエイブラマーを召喚したことが何かのきっかけになったとか...?

ペッパーマンサー <IX - The Peppermancer>

再会した時頭のパーツが豪華になってて満喫してるみたいでよかったって思った

誕生日に昇醒(ascend)した、新入り魔女さん。体は男性でした。この人の現実世界パートのもやもやした気持ち、わかりすぎてちょっと落ち込みました。笑儀式を行った後の晴れやかな姿が素敵ですよね。満たされるためには自分で自分を定義するしかない、自分を定義できるのは自分だけ、なのかな、とか思いました。自分が何者か分かった、というか自分で自分を決めたから、こんなに生き生きしてるのかなと。これは現実での生き方にもかなり通ずるものがありますよね。この子の儀式イベントは、なんだか象徴的だなと感じます。自分のエッセンスを抽出するって、素敵だな。(まあ一つ思うのは、自分の心に素直にあることが一番素敵と思った私の価値観は、かなり人間至上主義であり自由主義であるなということ…)

パトリス <X - The Sister>

昇醒したときの見た目なのでフォルトゥーナとの年齢差がすごい

フォルトゥーナの姉ちゃん。イケオバです。お姉ちゃんが魔女になったのはフォルトゥーナのせいなので、本来魔女になる運命にあったのかは謎です。過保護なところがあり(アートブックで家庭環境の話がありました)、快楽主義者な人です。現実的な人で、過去パートではかなりあけすけな言い方をしますし、政治パートではかなりシビアなアドバイスをくれます。カリスマ性のある人ですよね。かっこいい。画像のセリフは、魔女という存在について、結構印象的だなと思ったセリフです。圧倒的な自由を得られる存在であることに苦しみ、裁定者になったことで任務と目的が得られた姉ちゃんの元カノについての話の時ですね。死がない以上、なんでもやれるので、一方で自分という存在には自分で意味を与えなければならない度合いが普通の人間よりも随分高いのかなとか思います。ある程度、外部から役割を与えられるほうが、考えなくていいので楽なところはありますよね。似たような悩みは普通の人間でもよくあることだと思うので、日々の悩みをうまいこと魔女という物語に落とし込んでいて、寓話的だなぁと思います。あと、最期を占わせるの、愛が重い・・・死期を知っていることで、恐れと共に大きな力となっていた、と語りますが、私たちの人生においても、いつかはわかりませんが「死」が確実だからこそ、精一杯生きようって思えるのかなって思いました。

サイプレッサ <XI - The Historian>

とにかく木

かなり古の時代から生きている魔女。保守的で変化を嫌う人です。画像のセリフは、うわーよくわかる、と思ったものです。長い歴史の中で、例えば昔は植民地支配が正義で企業が植民地支配してた時代や、教皇が絶対正義で免罪符を売ってた時代や、ソ連が支配して共産主義が台頭し資本主義はやられてた時代など、その都度正義や倫理や、人の考える何もかもの定義が変わりますよね。人は物理的な、客観的な現実だけには生きられず、主観的な認知と共に生きる生き物です。だから、そこは時代とともに変わるから人はコヴンを治めるのには向いてませんよ。というサイプレッサの理論は割と納得してしまいました。でも、知識ルートだと、なんとエイダーナを愛していたことがわかるんですよね。サイプレッサが話すこの理論にも、主観的な、個人的な感情が含まれていたのだとおもうと、この人もウンヌに比べたら人だなって思いました。

ユーエニア <XII - The Mentor>

モフモフしてみたい。耳がぴこぴこするのが可愛い

フォルトゥーナのお師匠さん。フォルトゥーナにベヒモスの召喚方法を教えた人でもありますので、諸悪(悪ではない..かな?)の根源とも言えますね。アートブックには、フォルトゥーナ自身が皮肉屋で自己中心的なことで自身の可能性を無駄にしていると思っていたり、魔法へのリスペクトのなさにちょっとイラついたりなど意外と人間臭いです。フォルトゥーナにちょい厳しめだったのはこういうことが原因だったのですねー、愛ゆえの可能性を信じた厳しさと、若干の個人的なフラストレーション。魔法の研究に身を捧げていたり、禁忌のベヒモスを教えちゃったり、現実に縛られない学者タイプの人ですね。実際選挙では学者に応援をお願いできます。

クリエル <XIII - Illusion>

魔女にしては自信がない子

感覚をいじれる魔女。自分の能力は現実を決して変えることはできない、と、そのことについて深く悩んでいる子です。この悩みは、普通に我々人間が生きててもよく抱く悩みなんじゃないかなと思います。画像のセリフもよくわかるなーと思って聞いてました。ただ、上にも書きましたが人間は半分現実、半分自己認知で生きてるので、その半分を自在に変えられるのは思ってるよりもかなり凄い能力だと思います。だって偽エンディング見させられたし。笑びびりましたね、あれは...

ウンヌ <XIV - Entropy>

フクロウな見た目はぱっと見可愛いですが表情がなさ過ぎて怖い

フォルトゥーナやエイダーナと同様の、予言の魔女です。エントロピーを読み解く能力があり、それにより物事の腐敗を止めたり促進したりする要素を読み解くことでなんでも破壊できるそうです。アートブックには、だからこそ何にも、自分自身にも愛着を持てないそうで、何が彼女を動かしているのかは誰にもわからないと書かれています。確かに、全部他人事感があるというか、サイプレッサもウンヌと同じく巨視的な視点で物事を捉えて行動の矮小さを批判してきますが、サイプレッサはそれでもコヴンの中の人、コヴンを維持したいという気持ちがある印象があったのに対して、ウンヌはさらに巨視的な視点を持ち、そして別にそこにあまり意思はないというか、自然の摂理を代弁してるだけ、みたいな印象がありますね。画像のセリフは、支援を断った時のセリフだったと思うのですが、なるほどよくわかるなと。ウンヌの提示する支援に対して、ズルとかフェアじゃないとか誇りを持って断るとかいろんな考え方がありますが、そのどれもが人間の認知、道徳上での話でしかなく、ただ客観的現実だけを見るなら、敵に対してやられるまえにやらないのはどう考えても、生物が生き延びるための方法として間違っているのは事実です。生存競争に勝ちたいなら、人間的認知は捨てて動物にならなければならないのですよね。この人は、すごく雑にいうなら諸行無常に屈した‥変わらないもの、壊れないもの、不変なものがないことに打ちひしがれてるのかな〜とおもいますが、でもエイダーナと違って死んでないんですよね、生きるモチベはなんなんだろう。

ジーラ <XV - The Jade Sculptor> 

めっちゃアジアン

ヒスイの匠の魔女。死んだら人間奴隷堕ちって、えげつないですね。助けたら選挙での評判が落ちて世間は厳しいな…血も涙もないな…ってなりました。まあ、人間物事を見たいようにみるものなんだな~というのがよく分かりましたね。

ランギマリー <XVI - The Cosmic Poet>

指からキラキラしている物が落ちている表現が好きです

宇宙インフルエンサー、コズミックポエムを書く人です。かなりエキセントリックな人ですが、結構好きです。初回で私は説得できた(賄賂は嫌だから自分でやってもらった、やる気を出してもらえた)のですが、説得できないルートもあるんでしょうね。コズミックポエムをタロットで描くパートでは、結構いい感じのができてテンション上がりました。詩って昔は何が言いたいか訳わからんって思ってたのですが、最近は、作者が何か伝えたいとかもあるかもですが、大事なのは受け取った側が色々そこから考えることなんだなと思えてからはなんとなく楽しみ方がわかってきました。現実ではポエマーってインフルエンサーにはなっていと思うのですが、割とミュージシャンみたいなものなのかなとか思いました。

メナカ <XVII - The Explorer>

背中のデカいの、重そう

探検家の魔女です。道を追求する好奇心を持つ人という点では学者と通ずるものがありますが、それが具体的な外界の世界に向いている人は探検家になるんだろうなと思います。タロットで新しい場所を作ると、もう新しい発見はない、探し尽くしたと思って夢を失っていたのに、再び不死性を愛せるようになったと話します。まあ魔女の世界は不死って言っても死ねるっぽい(エイダーナの状態って、もしかして生き地獄ってこと…ないですよね??)ので、不死というより不老って感じなのかな?でも死ぬ踏ん切りがつかなそうでそれはそれで辛そうですね…

エイブラマー

恐ろしげな見た目なのにキュートすぎる

フォルトゥーナの召喚に応じたベヒモス。見た目に反してかなりの萌えキャラだと思います。寄り添ってあげたくなる。あそこの選択肢で好き以外選べません。笑ただこのゲームの難しいところは、序盤にタロットで占ったエイブラマーの過去はフォルトゥーナが作り出したものであるため、エイブラマーについて考察しようとするとそこがどうしても入り込むことです。(アートブックにはある程度載ってるのは本当だと思うのですが)フォルトゥーナのタロットに、言い方悪いですが汚染される前の本当の過去を知ることはできないってことですよね〜。プレイヤーの選択次第で、自分以外のキャラクターの過去や行動動機が変えられてしまう、根茎をなすものが変わってしまうというこのゲームの性質はなかなか恐ろしいですね。ある種キャラビルドしてるみたいなもんなんだな。まあ、そこを差し引いて(タロットの選択では変わらない範囲のセリフ)も、エイブラマーはかなりいいやつだと思います。フォルトゥーナも言ってましたが恐ろしげな感じなのかなと思ったら話の分かるやつだしすごい強力的だし繊細だし。ギャップ萌えの宝庫ですよ。しかもループエンドではずっと付き合ってくれるなんて、もう伴侶じゃん…恋人ルートのグレーテよりも正直愛が深いと思います。グレーテ好きだから悔しいけど。笑

知識を得たルートで最初の恋人について聞きそびれたので今度聞きます。

まとめ

とにもかくにも、ものすごい楽しませてもらったし、考えるきっかけをくれたし、素晴らしいゲームでした。作ってくださったクリエイターの方々に感謝です!また色んなあルート回って、まだまだ深堀りしたいな。タロットカード物理グッズ欲しい…