感想置き場

いろいろと感想を残します

in Stars and Timeをクリアしました(ネタバレあり感想)

ゲームについて

2023年に発売した、タイムループする世界が舞台のRPGです。主人公のパーティ5人組が、「ラスダンに挑む直前」から物語が始まり、主人公だけ記憶が引き継がれる状態で、何度も何度も同じ時を繰り返し、手がかりを得てループから抜け出すために奮闘します。

store.steampowered.com

きっかけ

多分webのゲームメディア記事とかで何月に発売予定~っていう記事が書かれていて、タイムリープ系の話は大好きなのでウィッシュリストにとりあえず突っ込んでおり、最近ぼ~っとウィッシュリストを眺めていたら発売していたことを知って、評価も高かったのでプレイしました。

 

感想

全体(ストーリー)

24時間くらいで、ノーマルエンドともう一つのエンドをクリアしました。キャラクターが皆魅力的で、会話がすごく楽しかったのと、主人公がループで追い詰められていく展開の辛さの没入感が非常に高くてめちゃくちゃ良かった。全体を通して、「変化を受け入れる」「変わる勇気を持つ」話だったなと思います。

ループもので、主人公しか記憶が維持できず、追い詰められていく…というのは予めわかっており、私は追い詰められる描写は好きなので、どれくらい追い詰められるのかな♪と期待していたのですが、思ったよりもかなり追い詰め描写が丁寧でエグく、マジか…ウッ…ヘヘッ…ってなりながらプレイしていました。追い詰め方のバリエーションも細かくて、「同じ」ことに対してうんざりしていく様子や、自分の問題から目を背け逃げ出してしまう様子、自分の過ちで追い詰められる様子や、摩耗し効率厨になって倫理観がぶっ壊れていく様子など多岐にわたっており、暗黒フルコースでした。個人的に一番きつかったのは、効率厨になった結果仲間のパワーアップイベをショートカットしようとして大失敗するあのシーンです。次にきつかったのはボニーが握られるアレ。あと、弔い方について話していたのをボニーに気づかれてしまい、シフランが慰めようとするんだけど嫌われてしまうシーンとか、入ってすぐのところにいる哀し身(この訳し方いいですよね)をぶっ殺したときに仲間に引かれるシーンも…思い出したらどんどんでてきた…心のえぐり方が豊富なゲームでしたね^^

一方で、パーティメンバと心を通わせるシーンは非常に心が暖かくなりました。どのメンバも魅力的で、いろんな形で支え合い、リスペクトしあっていて、これまでの旅路も全部くれ!!って感じでした。一つ面白いなと思ったのは、こんなに素敵なパーティなのに、ラスダン手前の段階でもまだ互いに踏み込めていないところがあって、今回の出来事がなかったらもしかしたら皆互いに気持ちを表に出さずに解散していたかもしれないなっていうところです。互いに尊重し気遣うのはいいのですが、逆にそれによって自分が恥ずかしかったり相手から拒絶されることを恐れたりして、相手の心に踏み込んだり自分を開示したりすることができていなかった部分が、皆あったのだなと。作中の「ウツロイ」の教えでもありますが、変化をするということはそれまでを壊すということであり、仲良く皆で素敵に過ごせている今を、相手に踏み込むことで壊してしまうことをおそれていたのかなぁなんて思いました。シフランが触られるとびっくりしてしまうというところも、シフランに聞くのではなく皆で察して(ある種勝手に)気遣って触らないように気をつけていたっていうところや、シフランが昔のこと、故郷のことを隠していたり、シフランが「手伝いたい」と相手に歩み寄るまで、皆が開示していなかった自己だったり、最後のループでの態度をシフランが謝るときに、ミラベルやオディールが、シフランを知ろうとしなかったことに対して謝っていたり、それこそシフランが話の一番の肝である「みなとずっと一緒にいたい」の思いを隠していたし、皆が皆「旅を続けたい」と思っていたのに言わなかったのも、そういう、変化を恐れ「踏み込まない」「拒絶されることを恐れる」ことだったのかなと。作品のテーマとして、「ウツロイ」、一つにとどまるものはなく変化し続けるから、より良く変化し続けよう、というのが重要である一方、変えられないことに対して無理して変わる必要もなく、変えられるところ、変えられないところがあるから、そこを切り分けるのも大事なのかなと思いました。本編の旅が終わっても、もう少し旅を続けることはあきらめなくてもいい。でも、ずっとずっと一緒にいることはできず、旅の後はいずれそれぞれの道を歩むこともあるだろうけど、それでも場所は変わったとしても、心はともにある。(お互いの人生の中に、お互いの存在がずっとありつづけるだろう、ってオディールのセリフが好き)形が変わっても、変わらないものはあるんですね。あと、一人では無理なことでも、だれかとなら乗り越えられる、というのももう一つのテーマなのかなと。本編ラストの皆が助けに来てくれるところもですが、ループとの対話ができるENDでのループとのやりとりで、より強くそれを感じました。他にも、エンディングで、ミラベルが、自分もシフランも抱え込みがちな性格だから、もっと話そう、そうすれば手伝える、とか、オディールが故郷の記憶がないことについて、私なら他の人よりも理解してやれるかもしれない…とか。他人は、自分と違うからこそ、その気持ちが分からず不安になることもありますが、違うからこそ、分かち合えるんだよな、と思います。あと加えて、王って、シフランと対になっていると思うんですよね。どちらも故郷、自分を失い、彷徨っていたら、かけがえのないものに出会った。それを失いたくない、という気持ちまで同じで...何が二人を分けたのかといったら、仲間(+ループ)の存在なのかな、思いました。

あと、ループが終わってから、ボニーは桃も好きだったのか!ってびっくりするシーンが個人的に印象的でした。シフランは、ループしまくり、皆のことなんか全部わかったつもりでいましたが、そんなことはなく、知らない一面もまだまだあるんだよと。普段、生活していて、他人について、その人の考え方とかをすべてわかったつもりになってしまうことってたまにあるかと思いますが、他人の中身を完全に知って理解することなんて一生不可能であり、わかったつもりになるのは最も傲慢な行為であり、相手を知ろうと、歩み寄ろうと努力することが大事なんだなと思いました。そしてそのためには、自分も相手も、伝える、話すことが大事なんだと。最後に、この旅を続けたいと思ってたのは自分だけだった、みんなはそうじゃないと思ってたって、シフランが他のメンバの気持ちを勝手に想像して決めつけて恐れていたところとかもそうですね。

あともう一つ印象的だったのが、最後の最後、ループの末、仲間に暴言を吐いて大失敗した回で、それをやり直さずにエンディングを迎えたことです。プレイした時には、あの素敵なパワーアップイベントで得られた関係が全部なかったことになった上、更にむしろ物語開始時点よりもひどい状態なんて…あの素敵なループの状態で好感度高い状態でやり直させて~~と思っていたのですが、そもそもこの思考が、劇中のシフランそのままで、仲間を意志のない人形として取り扱い、自分が愛されていることが一番大事、そうなるように仕組むことを是としていしまっていたな~と振り返りながら反省しました。自分にとって都合のいいエンドを望み、暴言をなかったことにするって言う思想ですよね…自分の問題から目をそらさず向き合っていくことが大切ですよね。あと、最後のループで仲間たちが、酷いことを言われたしそれに傷つきもしたけど、それだけでシフランを見捨てたり嫌いになったりしない、というのも、なんというか、仲間で過ごしてきた時間はかけがえのないものであり、パワーアップイベがなくなっても、ラストループで喧嘩しても、無かったことになるわけではない、というのがなんだか救われるような思いでした。

あと色んな国の人たちが集まって、それぞれのなまりがありつつも一緒に行動してるってのが良かったですね。サモサの味付けも地域によって違うとか、本もカ・ビュー語で書かれているのはオディールが訳してくれて、ニュアンスが変わるところがあるとか、宗教も国によって違うとか。色んなところでナショナリティの違いが感じられて面白かったです。

あと、テキストの"間"が良かった!

そういや、"やめる"を選ぶ時が来なかったな。選んだ未来があれなのかしら...

下記に、感心したトピック別にちょっと分けて記載。

・主人公が置かれている状況への没入感の高さがすごい

タイムリープ系の話って、ADVのように物語メインのメディアで多く扱われる印象があり、そういう場合って、毎回同じ繰り返し、と言う描写は言及はされるものの、カットされることが多いと思うんですよね。全く同じテキストが繰り返されるのってプレイ体験的には無駄なので、同じことがプレイヤーに理解された段階でそこは親切にカットしてくれることが多いというか。ですがこのゲームは、全くそのようなことはなく、本当に「全く同じダンジョン、全く同じセリフ」を、ず~~~~っとプレイ中かなりの時間聞かされることになります。さらに特徴的だなと思ったのが、「見たことあるシーン」はスキップ機能でぼ~っとすることができるのですが、これは本当に主人公がぼーっとしているので、既読だけスキップするなんていう仕様ではなく、万が一主人公側のリアクションが違ったせいで相手のリアクションがちょっと変わっても、そのままスキップされてしまうところです。(物語の大きな手がかりになる差分が生まれたときには流石に止まってくれますが)ゲーム性という点では不便極まりないですが、この仕様は主人公の気持ちに没入するという体験を非常に深めていると思います。ループ中は、自分側からのリアクションが変わらない限り、相手からのセリフは全く変わりません。一方で自分側のリアクションはだんだん変化していきます。例えば、一周目は初めて聞く会話なので普通に返して、二週目はもう知ってるんだけどね、と思いながらという描写が入りながらも一周目と同じように返答して、三週目には少し返答の仕方が雑になり、それでも返答の内容が変わらなければ相手側からのリアクションは変わらず、四週目は黙るようになり、そこでようやく流石に会話の流れが一周目と少し変わる…みたいな感じです。先ほどのスキップ機能は、二週目以降ずっと使えるのですが、これを押すと上記の差分を全く見ないことになります。差分を見たければいちいちスキップしないで全部聞いてあげることになり、これによりさらに同じ会話へのうんざり度がUPし、主人公の感情の摩耗をより身近に体験できるようになっていると思いました。主人公側のリアクションもプレイヤーのうんざり度ととてもマッチしている台詞になっていて没入感が非常に高かったです。

あと、レベルがシフランだけ上がっていって、敵がワンパンになっていくところも良かった。メニューのキャラクターのイラストが話を進めるにつれ顔が死んでいくのとか、イベントを経ると、システムメッセージの"仲間"が"家族"になるのもイイ。システム的なところでそうやって変化を表しているのも面白かったですね。

・差分がものすごい細かい

ループを繰り返すごとに変化していく主人公のリアクション、気持ちの変化が非常に細かく描かれており、それがプレイ中の自分の気持ちとよくリンクしていたなと感じました。なんというか、普通のゲームだったら、同じ話を聞いたときの主人公側のリアクションってせいぜい2~3回めくらいまで用意されていてそれ以降は同じ、くらいの差分だと思うんですけど、このゲームは体感その倍くらい用意されていて、同じ話にだんだんとうんざりしていったり、やけくそになり、そして摩耗しておかしくなっていく様子がめちゃくちゃ丁寧に描かれていました。ゲーム全体としてチャプター的な区切りが4つくらいあるのですが、その1つのチャプターごとに多分4~5段階くらい変化していた気がしています。だから合計20弱くらい、そしてその変化が調べる箇所や会話ごとに用意されているので、本当に差分が凄まじい。プレイ中はひたすらいろんな箇所を調べまくり、その差分に共感しつつ驚いていましたね~

人間性、多様性の描写が非常に丁寧

パーティメンバたちは信仰している宗教が違ったり、主人公とパーティメンバの一人はノンバイナリーだったり、また別のパーティメンバはおそらくアセクシュアルだったりといったように、いろんな個性・価値観を持つメンバが集まっているのですが、これに対して、特段気を遣うわけではなく、互いに互いを尊重して、理解しようと努め合っており、皆の会話が、言葉をしっかり考え、選んで、丁寧にしているのがすごく好感が持てました。そして、パーティメンバがそれぞれ抱えていた自分の気持や考えを吐露するシーンがあるのですが、そういうときのセリフがすごく丁寧というか共感できるというか具体的というか…言語化しづらい気持ちを丁寧に描写してくれていて、私が似たように悩んでいることがトピックになったりしたときには共感し、そうでない話題のときは、こういうことで悩んでいる人は、そういう気持ちで悩んでいるんだなと理解を深める助けになりました。パーティメンバの、「人間性」の描写がとても丁寧で、キャラクターが、「属性をくっつけた」感じではなく、個々に自身の価値観を持ち人生を歩んできた、一人の人間なんだなということを実感できました。加えて、良かったなと思ったのはパーティメンバの皆の個性が生み出す負の面も描いていたことです。皆、個性的ながらもめちゃくちゃいい人なんですけど、個性があるということはやはりそれによって生まれる弊害もあるわけで、人によってはそれが他の人にとっては悪い面となってしまうこともあります。例えば今までの自分にけじめを付けて新しい自分となり、そこで終わらずに更にこれからもいろんな自分になってみたいと言う人は、いろんなものに積極的であると同時に、一つに決められない優柔不断であるともいえます。感情的にならず的確な指摘をくれる人は、頼りになると同時に、冷徹な人であるとも言えます。あと、パーティメンバとは別に、ボスについて、その思想が、ある面では主人公も共感・同意できる面がある、と描かれているシーンがあったりします。さらに、パーティメンバのミラベルは自分が信仰しているウツロイ教について、盲信するのではなく窮屈、時代遅れだと感じる部分があると話すシーンもあります。そういうふうに、多面的な視点で物事を描いているのが、すごくいいなと思いました。正しい意味での「多様性」を描いている作品だと思います。なんというか、互いに違うが、それを押し付けるのではなく、尊重しあい、心地よい距離感で共存していくという感じ。

グラフィック

モノクロのグラフィックが特徴的で、最後に色が戻るシーンがあるのかなと思ってましたが、そんなことはなかった。笑ドット絵もよかったですが、イラストがやっぱり素敵でしたね。みな表情がいきいき(喜びだけでなく、負の面も(重要))してましたし、笑顔が素敵だった。イラストレーターさんのtwitterフォローしちゃった。

翻訳

非常~~~に丁寧で、全く違和感ありませんでした。文句の付け所なしです!一つだけ、合言葉とパスワード、で表記ゆれがあったかな?若干理解がワンテンポ遅れる言い回しが一二箇所くらいありましたがほんとそれくらいで、キャラクターの口調も個性に合わせてしっかり分けられており、物語への没入感を全く阻害せず、素晴らしいローカライズでした。主人公のシフランはダジャレ好きというローカライズの大きな壁である特性を持っているのですが笑、しっかりダジャレも日本語でダジャレになっていました。あ、一つ思ったのが、ノンバイナリーの子の一人称って訳すのめっちゃむずそうだなと思った。シフランもそうですけど、特にボニーはオイラって言うから完全に男の子って感じがしちゃいますがノンバイナリーなんですよね。原語だとIなはずなので、ボニーに対する感じ方が結構違いそうだなと思いました。あと、シフランはhe/theyで、ボニーはthey/themなんですね。日本語だとどっちもプロフィール上はノンバイナリーになっていて、でもこれ以上表現しようがないので、言語の違いって難しいな。というか言語が英語と日本語だけって、珍しいですね?

音楽

シフランの精神状態で同じ曲でも変化していくのが面白かったですね。サントラがなんか前半しかでてないっぽい?ので後半もくれ~!!!

キャラ雑感

どのパーティメンバも、パッと見の印象と実際のギャップが大きく、人間の多面性というか、意識して外に出す仮面と、うちに秘める、外に出せない内面は違うんだなっていうのが実感されることが多かったです。

シフラン

我らが主人公シフラン。"旅人"といった感じで、飄々としている印象ですが、その内面はかなりナイーブかつ内気で愛が重めの子でした。みんなのことが大好きなのがかわいいですよね。エンド後はもっと自分をさらけだして、失ってしまった記憶をみんなの暖かい記憶で埋めてしまうくらい楽しい時間を過ごしてほしい...

シフランは、旅が終わって、皆は別れるのは平気だろうけど、自分は嫌なんだ…ってラストに明かしますが、他人の気持ちを読むのが苦手な子なんですよね。一方で、逆にパーティメンバからは、普段の態度から一人のほうが好きみたいに思われている節があります。まあ実際に常にみんなでわちゃわちゃするのが好きなタイプではなく、一人の時間のほうが基本的に気楽なタイプとは思いますが、だからといって皆と離れたいわけではなく(これはオディールにも言えると思う)。互いに、互いを誤解してたんですねえ。皆との旅は自分にとって一番幸せな時間だと答えたシフランが愛しいよ…

みんなに嫌われたくない、嫌われてしまう、離れないで、っていう気持ちがすごく強くて、これは過去に何かあってそうなってしまったのか、依存心が元々高めなのか、わかりませんが...シフランは別にあらゆる人に対して嫌われたくないっておどおどしてるわけではなく、仲間に対して強くそう思っている(怪しい...アチブでも、オディールに手伝って欲しくない、なぜなら、ループの原因がわかったら僕のことを嫌いになるだろうから!って言ってる)ので、これは故郷の記憶を丸ごと失ったことで、自分の大切なものがいなくなることを恐れているのかもしれないのかな〜とか思いました。また、この自信のなさは、自分の記憶がないことも関係してるのかなとも思いました。記憶がない、人となりがわからないような人間である自分は信頼に足る人間ではない、と無意識に自分で自分のことをそう思ってしまっているのかも。他のパーティメンバに自分の記憶がないことをあまり知られたくない様子だったのも、信頼できない人間であることがばれてしまったら、嫌われる、離れていってしまうと思ってたからなのかなあ、とか思いました。ループを繰り返すと、シフランは、オディールのパワーアップイベで、"自分とのつながりは感じられないけど、つながりを作りたくてこの国を訪れた。大した度胸だ。革新的ですらある。僕はそれが・・・妬ましい。""彼女は恵まれてる。自分のルーツをもっと知るために、何処かへ旅に行けるんだから" "そうは思わない。わかっていないのはオディールの方だ。生まれや出自などのルーツが個性を左右しないなんて思えるなんて、ゼイタクなはなしだ。"と独白します。オディールは、自分の半分を構成しているはずの、存在している国に対して所属感を感じられないという話でしたが、シフランは、オディールと違って故郷が物理的にも記憶的にもないので、その折り合いすらつけられないというか。ヴォーガルドを見て、自分のルーツは感じられなかったけど、自分は自分だ。と思えたオディールと違って、そもそもどこにもルーツを感じられないし、記憶がないせいで、「自分は自分だ」とも思えない、自分が何者なのかすらわからない。自分が何者なのかわからない、過去が何もない辛さは、想像することしかできませんが、シフランにとっては、自分と故郷の記憶がないことによる自分への自信のなさが、自分の中で覆せない事実として根付いてしまうくらい、強烈だったんだろうな。

 

以下、トピック別にちょっと分けてみました。

・ダジャレ

おしゃべりキャラでもひょうきんキャラでもないのにダジャレをいうって言うのが意外でした。仲間パワーアップイベの何回かめで、シフランは、「イザボーは自分の人生に笑いをくれた人であり、彼を笑わせたくてダジャレやジョークを言うようになった、下手なダジャレを言ったときにイザボーが爆笑してくれて初めて、自分という人間が理解できた」、と独白します。初めたきっかけがある種恩返しなのが愛おしいね...「自分という人間が理解できた」という部分は、過去の記憶がなく、そもそも自分はどんな人間だったのか、何を好み、どのような動機で生きていたのかすら分からなかっただろうシフランが、人を笑わせる、という行為をしたときに、きっとなにか"しっくりきた"んだろうな、と思いました。なんというか、心から満たされることをしているときって、ああ、これが自分なんだなぁ、と思うときがあると思うのですが、そんな感じなのかな~。あと、ループとの会話で、「ダジャレやジョークで気を散らして質問させないようにする」という話もあり、ジョークがうまくなっていくうちに、処世術としても使うようになったのかもしれないですね。

 

・故郷や過去の記憶について

シフランは、自分の失われた故郷、過去の記憶について、それを少し思い出すようなことがあると、非常に強い抵抗を示します。(マントや、サモサの好み、かま焼きの思い出、銀貨など)これ、ゲーム中は疑問で、嫌な思い出ならまだしも、全てを思い出に残したかった、というのなら、思い出せそうなら思い出したい!と深掘りするのでは?と思っていました。しかし、今振り返ってみると、これはたぶん、失ってしまったものについて思い出すと、それが失われたことが強く感じられてしまうから嫌がってたのでは、と考えられるんじゃないかなと思いました。例えば、親しかった人が亡くなった時とか、その人のことを覚えていたい気持ちはありつつも、その死が受け入れられていない間は、むしろ思い出す方が辛いですよね。そのことを思い起こさせるようなものは避けたくなったりします。この矛盾なのかな〜、と。

あと、故郷や文化が失われてしまうというのは、現実だと、人々が記憶喪失にはなるのはありませんが、紛争などで物理的に破壊されて無くなってしまうというのはあるなぁ、と思いました。あとは、例えば古代の文字とか、ものはあっても文化を知る人がいなくなってしまった場合もありうるなーとか。でも記憶は失っても好きな味は覚えているというのが、具体的に思い出せないけどなんとなく懐かしく感じるものとかも現実にあると思うので、身体的な、いわゆる体が覚えている、っていうのがシフランにもあるんだろうなと思います。なぜ思い出そうとすることが世界のルールに反するのかはよくわからなかった...

エンディングではボニーに、記憶がないことについて、いつか詳しく話すよ、と伝えているので、今後いつかシフランが、記憶がないことについて引け目を感じないようになり、そして失ってしまったことを受け入れ、たまに思い出せる昔の思い出を、目を背けるのではなく、皆と共有できるようになったらいいなあと思います。

 

・顔グラの変化

細かくて良かったですね!顔が死んでいくことでしか得られない栄養素が、ある。最後は帽子がなくなったのが、これからは自分を隠さず生きていくという象徴なのかな〜とか思いました。

ACT4の疲れと幸せを同時に感じる絶妙なのこの顔がどうしようもなく好き

・皆がシフランに触らないように避ける

てっきりシフラン側が触られるのが嫌だと主張したのかと思ってたら、みんなが(勝手に)気を遣っていたというのがなんかリアルだなと思いました。他人が、自分の気持ちを自分よりわかってるのがなんとなく嫌だというのはよくわかります。なんというか...自分の判断を奪われているような感じというか...もちろんプラスなのもありますけどね、自分のことをよくわかってくれてるんだなっていうのもありますから。でもこういう勝手に遠慮される系はなかなか難しいですね。ボニーがいい意味で気を使わずにどうして?って聞いたのが良かったなあ。大人になるとデリケートなところは触れないでおこうとなりがちですが、踏み込むことでしか気づけないこともありますからね。

 

ダガー

皆の前で自殺するのヤバいですよね(褒め言葉)

 

サトイモフリット

英語だとMalangaとgiraumonと言われていて、Malangaのフリッターレシピを調べてみたらキューバ料理が出てきました。

www.cook2eatwell.comほかにも、ハイチ料理でマランガは使われるそうです(ハイチ料理 - Wikipedia)。giraumonは北アメリカが原産のものらしいです。ただ、シフランの故郷は多分特定の国を思わせないように意図的にされている気がするので、特にキューバやハイチがモチーフというわけではない気がします。ただ、アジア的なカ・ビューがヴォーガルドの裏っ側なので、ヴォーガルドはアメリカやヨーロッパっぽい気がしていて、そうすると北に浮かぶ島という点ではもしかしたらすこしイメージされてるかもしれませんね。(制作者さんの開発ブログに地図がありましたDevlog #10: Questions and Answers - IT'S THE LAST DISC)この料理初めて知りましたが、めちゃくちゃ美味しそう。ちなみに、steamのゲームのページからいけるマニュアルに、ボニーのレシピが載ってます!今度作ってみようかな。サモサの味付けが国ごとに違う話も興味深かったですね。サモサっててっきりインド料理だと思ってたんですけど、発祥自体は中央アジアだそうです。日本ではあまり身近ではなく、インド料理屋に行ったらメニューにあるけどそういう異国料理わざわざいく人じゃないと頼まないくらいの珍しい料理のポジの印象があるので、おなじみの料理として出てきたのに結構びっくりしました。アメリカとかだと人気なのかもな〜。(サモサ - Wikipedia

料理が好きなのでボニーのおやつ色々みるのが楽しかったです。

カワイイ
ミラベル

典型的な真面目系の信心深い女の子かと思いきや、ホラー小説が好きだったり、自身の信仰自体に縛られていることを悩んでいたり、あと最後にシフランに暴言はかれたことに対する、最後の最後のシーンで、皆許す中、ミラベルは今後怒ることもあるかもっていうので、最初の印象よりもはるかに人間味があるというか、パーティメンバの中でも案外一番頑固というか、譲れないものがあるというか、意志がしっかりした子なんだなという印象でした。

あと、aroaceな子(製作者の方のブログにありました。aroaceという概念、表記を初めて知りました。)です。あまりそちらの方面に詳しくなかったので、マッチングの話題が出たときに、てっきりいつかいい人が見つかるよっていう感じになるのかと思っていたらそうはならなかったので、考え方は変わる、増えるんだなと、勉強になるなと思いました。あと、ミラベルの悩みの、学びとはなにかに生かさないと価値がないと思っていた、っていうのに対して、学ぶこと自体が楽しければそれはそれでいいんだよ!っていう仲間のリアクションがすごく好きで、そして私にとっても救いになりました。私も、学びに対して、それ以外にもいろんなことに対して、意義や意味がないとだめだと思ってしまうタイプなので…更に、エンディング時の一番最後の会話で、シフランは聞かれていないことを自分から話すタイプじゃない、自分の問題で、他の人を煩わせたくないから、黙っている方がいい、だから気持ちを死ぬまで閉じ込めておくタイプなんだよね、私も同じだった。だから、今後はもっと話そう、そうすれば、支えあえるでしょ!というシーンも好きです。感情の相棒ってフレーズ、いいよね。

お隣にすわるとニコニコするのが可愛くて好き

イザボー

ムキムキちょっとお馬鹿な兄貴キャラ、かと思いきや、それは過去の自分が憧れていた人物像であり、現在の姿は「ウツロ」って手に入れたもので、過去の自分はかなりのガリ勉で、(オディールの知らないことまで知っている!)内気だったという、作中でも随一の意外性をもつキャラクター。他人の目を気にしていないようで、むしろ一番気にしているんですね。ファッションデザイナーになりたいという話や、多分ですけど爪にマニキュア塗ってるし、おしゃれさんなんだな〜と思いました。あと、作中で一番感情の扱い方に長けている人だと思います。ミラベルが取り乱してしまったときに慰められたのは彼のおかげですし(実際オディールもそう言っている)、ラストループでシフランに酷いことを言われたときにも、怒るまでの時間が一番長くてシフランを心配しているセリフも言ってくれますしね。彼の優しさは、ウツロっても変わらない根っこの部分なんだろうな。あと、もし死んでしまったら、その時の弔い方について、どうするか…という話題を出したところ、はじめはかなり驚きました。ゲーム始めたばっかりの時だったので、それなりに重い雰囲気はありつつもおやつタイムとか、シフランのギャグとか、攻撃もじゃんけんだったりしてゆるいところもあったので、急に「死」という現実が押し寄せて来たので…でも、現実から目をそらさず、死後のことまでその人を尊重しようとするその姿勢は本当に尊敬できるなと思います。

あと、結構独占欲高めの人だと思います笑シフランの呼び名をミラベルに許さんところとか、オディール像のところとか。

そう思われる環境で育ってきたんだろうな…

デザイナーになりたいだけあっていろんな服の知識を教えてくれるのが楽しい
オディール

好き!!!!!!!!!!!!!!!初めの第一印象のときはそんなに気になってたわけじゃ無かったんですけど、なんかじわじわ好きになり、いつのまにか大好きになってました。めちゃくちゃ推しです。一番初めに願いの木に願い事をするところ、はじめたてだったのでそんなにそれぞれの仲間に対してまだ理解が深く無かったので、一番偏屈そうだけど中身はいい人そうでギャップ萌えありそうって理由でなんとなーくオディールを選んだのですが、ここでオディール選んどいてマジで良かったな...まさか最後の最後のエンディングのセリフに差分が生まれるとは。オディールとカ・ビューを見たいです!!案内して欲しいです!!思い出話して欲しいです!!一緒に骨董市行きたいです!!ダンプリング食べたい!おにぎり食べたい!!いろんなところキョロキョロしたい!!ウォッカ飲みたい!!あと辛いものが好きらしいので辛いもの一緒に食べたい!!(apologies if youve already gotten asked something... - IT'S THE LAST DISC)

一旦落ち着いて...オディールは、自分のルーツを求めてウォーガルドに旅してきた人です。旅の理由を聞いたとき、なんというか、それって悩みになることなんだ、と、意外だなぁと思ってしまいました。私は純日本人で、周りにもハーフの子とがいなかったため、自分のルーツに悩まされるという経験がありませんでした。同じ立場にならないと、どう頑張っても人の気持ちは完全には理解できないので、オディールの悩みを完全に理解..というか、共感できないことが少し寂しかったし、悔しかったな。ハーフだけでなく、移民とかでもありそうな悩みだなあ。親が違う国の人で、そこで生まれた子供は、親の国と、住んでいる国のどちらに属しているのかについて悩みそうですよね。どちらに合わせても、どちらかと違うことが気になってしまいそう。やっぱり、「所属感がない」というのが根源の悩みなのかな。自分がどこにいても"よそ者"である、帰属意識が持てないということの辛さは想像できるし、共感できました。社会や、会社、何かしらのコミュニティに所属してはいるけど、気持ちとして所属感がない、というのってつらいし、しかもそれが「生まれ」になってしまうと、どこにいてもずっとその疎外感を感じることになると思うので、私が想像しているよりもずっと大きな悩みになりえるんだろうな、と思いました。しかもオディールの場合、母は自分含めて全てヴォーガルドのルーツは残さないで出てしまい、残されたのは周りのカ•ビュー人と少し違う身なりだけ。もし、母が去らず、自分のルーツを教えてくれれば、周りと違っても自分のルーツにもっと自信が持てていたのかなと思います。パワーアップイベントでオディールは、自分を形作っているのは、出自だけではない。どこから来たのかは重要だが、自分が自分である理由はそこだけじゃなく、ヴォーガルド人かカ・ビュー人かよりも、そちらのほうが重要といえる。って言っていて、私に取ってはそれほど意外ではない(生まれが全てではない)この考え方を、オディールは旅をすることで実感できたと言っていて、やっぱりかなり悩まされてきたんだなあと。オディールが孤高のひとなのは、これも原因の一つだったのかもしれないですね。オディールという名前は、非常にヴォーガルド風らしく(ループを繰り返して仲間の名前を忘れてしまうイベが発生するとループが教えてくれる)、親に名付けられたのか、自分で名乗っているのかわかりませんが、そこでも何か一つ抱えてそうだなぁと思いました。ウォーガルドの文化に触れて、これこそ自分の一部だ!と感じることはできなかったと言いますが、ダンジョン探索をする中で、本に書いてあることをミラベルやイザボーに聞くと、ウォーガルドを、その文化を愛していることが伝わってきて、それを聞くことで私も愛することができるようになるんだ、というセリフの通り、自分のルーツだと感じることはできなかったけど、愛することはできたんだね、とジーンときてしまいました。

カ・ビューはおそらくアジアがモチーフで、そのなかでも多分日本は結構強めに取り入れられている気がします。八百万の神様という考え方があるし、おにぎりは、ボニーが言い間違えるところ英語だとどうなってるんだろう?って思ってみてみたら英語でもOnigiriだったし、ダンプリングの餃子も、英語でも「gyozas」になっていて、中国語読みだと「Jiaozi」らしいので、かなり日本ぽい感じがする。でも服装はなんとな~く中国みを感じるので、まんべんなく入っている感じかな。日本文化に対する理解が非常に高いしローカライズも日本語だけなので、制作者さんの中に日本の方がいるのかしら?ていうか、好きなキャラと文化が近くてうれしいな。

 

オディールの好きポイントをひたすらあげます!!!!!!!!!!!

・ドライかと思いきや意外と茶目っ気があるところ

ラストのラスト、シフランにダジャレをいうところ可愛すぎるし、仲間たちのバカやるところになんだかんだ付き合うしむしろ自分から行く時もあるの、可愛すぎる。ボニーと仲がよくてkawaii

シフランがカウンターにぶつかって「にゃっ」って言った時

年齢差同盟が負けてボニーがシフランへのいたずらを提案する時

ラスボスに挑む手前なのにこの言いよう 最高

も~らい

・論理的なところ

オディールの感情的ではなく論理的に物事を常に語る姿勢が好きです。例えば、ミラベルが王に挑む直前、自分がどうして選ばれたのか、自分は相応しくない...と落ち込むシーンでは、今この場面で正しい人選だったのかと悩むことはあまり意味がなく、選ばれたのはミラベルであり、今ここにいるのもミラベルであり、貴重な時間を他の誰かだったらもっとうまくやっていただろうと考えるのに費やすのは勝手だが、目の前にはもう王しか残っていない、心を痛めたいのなら、王の急所を蹴り飛ばし、その墓につばを吐いてから存分にすればよろしい、って言うところ。感情的に励ますのももちろん大事なのですが、感情的に落ち込んでいるときには感情的に励まされても効かないときがあって、そういうときに論理的に状況を分析してくれると、いい意味で落ち込んでいるのがバカバカしくなるというか。 もう一つ、自分たちは友達じゃないよね...とシフランが過去のオディールの発言から問うシーンで、確かに、私のような年齢の人間とボニーのような子供が友達というのもおかしな話で、友達というのは適切ではない。しかし、私はきみたちを守るためならなんだってするし、皆もそうだと思う。だから、友達ではしっくりこないが…  というところ。なんというか・・・、俺たち家族だよな!!っていう、ノリや雰囲気ではなく、しっかりと根拠を持って言ってくれているところが好きです。まああと、こんなに論理的に話す人が、平然と守るためならなんだってするって話すところがたまらないっていうのもあるんですけど...(あとここ、家族という単語は得意ではないが…っていうのがね…)私が感情的に判断するタイプの人間なので、自分にない視点があるのに憧れがあるのかも。

ただ、そのおかげで、私からみたら無神経だな!笑と思うシーンもちょいちょいあり、例えば二人に分裂している哀し身とたたかうとき、倒す順によっては、片方がもう片方を庇って死ぬのですが、その時に、どんな気持ちだ、ボニファス?と聞いて、どっちもバカだ!って悲しそうにいうボニーに対して頭を撫でるところが、そもそもどんな気持ちだって聞いちゃうところが、姉が庇った経験があるボニーに聞くのが無神経だなと思うし、あとシフランに、片目だけでウィンクするのは無理があるぞ。きみはたまに忘れてしまうみたいだが。っていうところとかも。ただ、この二つに共通するのは、ボニーが自分の責任と感じてしまっていることで、多分、それに対してオディールはボニーの責任じゃないから気に病む必要はないし、関係ないと理解できているから、気にせず言ったんじゃないかなという気がします。上に書いた通りやっぱり感情の取り扱い方が下手というか、悪意があって聞いたわけじゃなくて、オディールは本当に感情に振り回されない人間なので、同じ感覚で話してしまうんだろうと思います。ミラベルが王直前で取り乱してしまうときも、気づかなくてすまない、とシフランにこぼしますし、共感性が低い...というと言い過ぎですが、少なくとも感情に振り回されないばかりに普通の人の気持ちが読みづらいという性格をしているのだとおもいます。ただ、それについて、ボニーの頭を撫でたりシフランに謝ったりと、時には良くない面として出てしまうことを理解し、気を遣えているのが、いいところだなと思います。他にも、ヴォーガルドの人間は全員祈り方を間違えたんだ、ってところで笑うとことかね笑これは私もちょっとどうしようもなさすぎて笑えてくる気持ちはちょっとわかる。あと、気が動転すると、感情的になり、手が出てしまう傾向があるように思います。ラストループでのシフランに暴言吐かれた時とか、ラストのデカシフランに攻撃するところとか。

あと、これだけ論理的なオディールが、ボニーに安心させられているのが好きです。

ときには全く論理的じゃないのも大事

・感情を取り扱うこと、さらけ出すことが苦手で、ずけずけ言うのに、本当の気持ちをさらけ出すのはためらうところ

自分自身が感情というのを取り扱うのが苦手、感情を読むのが苦手、自分を表に出さない人間であるのを自覚しています。でもそれに対して、開き直りすぎず、シフランにも似たもの同士だからと、我々の苦手とするところだが、ときには心を開くことも学んだほうがいい、とアドバイスしてくれるところも好きです。自分にできることがあったら遠慮なく言ってくれ、なにか悪いことが起きていたら、「気持ちは死ぬまで閉じ込めておくよ」なんてやめてくれっていうのも好き…

あと、上にも書いた、物語のポイントにもなる、オディールがパーティメンバーのことを友達ではない..と言っていたのが、イベントを経ると家族になる、というところですが、やっているあいだはイベントを経て最後の壁をとっぱらったからそういうふうに感じられるようになったのかなと思っていたのですが、振り返っていたら、一番最後の最後のループ、シフランがパワーアップイベ失敗する時に、「自分が友達だとみなしている人間」ってシフランに言ってるんですよね。なのであのイベントはきっかけでしかなくて、心の中ではあのイベントがあってもなくても変わらずずっとオディールにとってパーティのみんなは大切な存在で、それを表に素直に出せたか出せないかの違いだけなんだって思い、より愛おしくなりました...そしてそれを勘違いというか、そのまま受け止めてしまったシフランは、まあオディールの方が気持ちを隠すのが上手かったということだと思うので仕方ないとは思いますが、やっぱり人の感情を読むのが苦手ですね。

お花を渡すと分かりやすくテンションが上がるわけじゃないけど嬉しそうだったり、ラストでは、もう少し旅を続けたいと思っていて、皆に聞こうと思っていたけど勇気が出なかった...ともこぼしたり、オディールも、シフランと同じで心を開くのが苦手だって言ってましたが、出自の件(研究してないけど、何も言わないほうが楽だと思った)であったり、私が思ってるよりも自分を出すのが苦手なんだな〜と...あと、パワーアップイベで、「不思議なものだな…気分がずっと軽くなった。」って言ってて、彼女自身が思ってるよりも、閉じ込めていることによる重みが意外とあるのかもしれないな、と思いました。性格もありますが、年を取るとやっぱりあんまり自分をあけっぴろげにできないですもんね。

 

・優しくなさそうに振る舞ってるけど優しいところ

シフラン自身がそう独白するのですが、ACT4あたりでシフランがおかしくなってきて、ガラスの破片を調べるとポケットに突っ込んで怪我することができるようになるのですが、そこで真っ先に手当てをしてくれるんですよね。あと、トイレでシフランが不安になるシーンでも、声かけをしてくれるのはオディールだし…(もしかして最初の願いの木差分の可能性もあるかも?)ボニーに、焦げたサモサについて、本当に美味しかった、一番まずいなんてことはない、って言ってくれるし…

あと、パーティに参加した理由が「一国の命運をひよっこたちに委ねるなんて、考えただけで胃に穴が開く」なんですけど、やさしさ見え隠れしちゃってますよね。

カウンターにぶつかりまくると心配してくれる

ループ直前に一番初めに気づいてくれるのもオディール

・知的好奇心旺盛なところ

知的好奇心が旺盛で、自分のルーツを知ろうと星の裏まで旅に出てしまうくらい"知りたい"という欲求に素直なところが好きです。あと、本で得た知識と、人と話して得た知識には違いがあり、知識も大事だけど、そこに込められた意味や、感情的な側面も同じように大切なもので、本は文化に実際に囲まれたときの気持ちや浸かったときの気持ちを教えてくれることはない…だから、ミラベルたちにヴォーカルドのことを知るために質問する...って話すところが、すごく好きです。"知識"を、たくさんの事実を知っているだけの頭でっかちな捉え方じゃなくて、経験や感情なども含めて考えるその姿勢が、柔軟だと思うし、私自身大切にしたいなと思える考え方だと思います。あと個人的にこの考え方、すごく年の功が出ている気がする...きっと昔はオディールも知識だけを詰め込む、頭でっかちだった時代があったんじゃないかな〜と勝手に思ってます。

これに対するマダムのリアクションがワサビサンドイッチなのがウケる

これまでの旅の間も色々みてたんだろうな

シフラン評

・高所恐怖症なところ

マダムは完璧すぎるから、一つくらい弱点がないとな!のイザボーに頷きすぎて首もげた。

ディールがカニったれって言った...

・年長者の包容力

エンディングのかわいいってぽんぽんしてくれるところ好きすぎるし、シフランに対して私がいちいちこんな"子供"に怒っていたら常に怒らないといけないことになる。だから謝らなくていい。といってくれるのが、「細かいこと全部抜きにして、許す!」という、無条件の愛というか...そういうのを実行できるのが、大人だし、尊敬できるな〜と思います。

 

•洞察力が高く賢いところ

怪しい行動をたくさん取ると発生するイベントでこのアチーブメントがもらえるのですが(オディールに問い詰められたくて必死で取った)、シフランの怪しいポイントを全て結びつけ、ループの事実に肉薄するのがかっこいい。あと、ラスト戦で、シフランのループを止めるところもかっこよかった、時間のクラフトを止められるのすごくないすか?あとここ、話を聞きなさい!って、駄々こねる子供を嗜めてる感がすごかった笑

 

・笑顔がかわいい

笑顔がとてもかわいい!!!

かわいすぎる

・ピンチのときに笑うところ

これで一目惚れしたと言っても過言ではないです

かっこよすぎる

・シフランとの距離感

似たもの同士なところがあって、秘密の任務で、互いに何を探してるのかも知らないけど一緒に骨董商に行ったりしてたっていうのが好きです。踏み込むことでの仲良しももちろんいいですが、こういう空間だけを共有する距離感での仲良しもおつなものですよね。

 

・背が高いところ

もうここまで来るとなんでもありになってきた。マダムの背が高いのカッコいいよね

 

・恋愛歴

嫌いなやつを好きになったことがあるってそのフレーズだけでご飯五億杯いけるし映画作れるくらい興奮するんですけど???ストーカーがいたのも納得

 

・全部

これに言い返せないのかわいい

犬は守らねばならないのは全人類共通の認識

たまに素直になられるとグッと来るからやめてほしい

大事にしてくれてるんだ‥

kawaii.........
ボニー

ボニー、ボニファス、ボンボン。あだ名がたくさんあるのが海外だ!ってなった。序盤呼び名の種類が多すぎて誰のこと言ってるのかわからないことがよくありました笑彼…は正しくないですね、この子は、物語の初めは結構気難しいと言うか、打ち解けてくれない子供っていう印象でしたが、話を進めるにつれ、シフランとの関係がぎこちないのは、この子をシフランがかばって怪我をしてしまったからというのがわかってからは、根っこはとても優しい子なんだなというのが伝わってきて、後半は愛おしかったですね。だからこそ、握られるアレがクるんですけど…制作者、人の心がない(褒め言葉)おやつタイムも、常にいろんな料理を取り入れようと意欲的で、館で見つけた餃子のレシピを勉強しようとしたり、自分の地元ではないカ•ビュー料理のおにぎりを作ってみたり、シフランの好きなサトイモフリットも勉強して作ってあげようとしたり、健気...あとすごく好きなシーンは、皆が死んだときの弔い方のシーンで、パワーアップイベを経ると、なんでわざわざ負けたときのを話をしているんだ?と話している内容にしっかりと触れた上で、約束したから大丈夫だ!と言うシーンです。あと、ラストのラストで、約束は、守ることではなく、守ろうとすることが大事なんじゃないかな?と言うシーン。現実的な視点はもちろん大事ですが、時には根拠のない自信も大事だし、信頼も大事です。腹を割って話し、互いに守る、という約束を、皆で守ろうとするのが大事なんだなと思いました。約束は守れなかったら全く無意味、な訳ではありませんからね。約束だけでなく、いろんな事柄について、成し遂げなければその過程は全く無意味なのかといったらそうではないし。初めから諦めるのではなく"しようとする"のが大事なんだというのを覚えておきたいなと思いました。

 

まとめ

ループものは結構定番になってきたネタですが、それをゲーム体験として没入感高く再現されていて、それによる主人公との気持ちの同期が楽しかったです。加えて、個々のキャラクターの描写がとても丁寧で魅力的で、パーティメンバーにも愛着が湧きました。またルーツや多様性、変化について色々考えるきっかけをくれるストーリーで、学びにもなったな。あと、オディールという最高のキャラクターに出会えて嬉しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!素敵なゲームを生み出してくださった制作者の方々、関わったすべての方々、知る切っ掛けをくださった紹介記事に感謝!

 

オディールとシフランのコンビが好き!